<金口木舌>ジェンダー格差指数111位


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 男女平等の度合いを国別に示す「世界経済フォーラム」によるジェンダー格差指数(GGGI)の2016年の順位がこのほど発表された。日本は昨年の101位よりさらに順位を下げて、144カ国中111位と過去最低を記録した

▼順位は教育、経済、政治、健康の4分野を総合的に数値化し決まる。押し下げている要因は、国会議員に占める女性の順位が122位、企業の管理職に占める女性の順位も113位と低迷している点にある
▼安倍晋三首相は「女性の活躍」をキャッチフレーズとして掲げるが、中身がまだまだ伴っていないことが数字で表れた。しかし、本当に安倍首相は女性の活躍を期待しているのだろうか
▼昨年の国連総会で安倍首相は「嬰児(みどりご)をもつ母ならば、その健やかな成長を、それのみを願うことができる環境を、日本は作りたいと念じます」と演説した。本心は家庭内での女性活躍なのか
▼順位を引き下げるもう一つの要因として大学など女性の「高等教育の進学」が103位である点は見過ごされがちだ。大学進学率の男女差は近年こそ8ポイント差まで縮まりつつあるが、一貫して男性が高く、10ポイント以上の差が続いた
▼女性が教育を受ける機会を得てこそ、就職でも企業での管理職登用でも、政治の世界への女性の進出も広がるのではないだろうか。女性が進学を諦めない社会であってほしい。