<金口木舌>ローカルを観光に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 やんばるに来て祭りの多さを実感した。地域住民のつながりが強いことが理由の一つだと思うが毎週末、必ずどこかで開かれている印象がある

▼その祭りがまた面白い。市町村や区に伝わる伝統行事だけでなく、地域振興や観光を目的にした新しい祭りも粋だ。地域の良さや文化を取り入れ、幅広く楽しめる工夫がなされている
▼5日夜、本部町の多目的イベント広場(闘牛場)であった「もとぶ観光文化フェスタ」に足を運んだ。民謡ライブ中に地域の男性が飛び入りで踊って場内を沸かせ、闘牛の解説者が闘牛でヤジを飛ばした相手を冗談交じりに諭す
▼雰囲気は完全に「ローカル」だが、丸ごと「観光」にしようという趣旨だろう。売りは町の各地域で別々に行われている闘牛と闘ヤギが一度に楽しめることだ
▼海洋博公園を抱える本部町は観光メニューが多彩だ。さらに町自体の魅力をアピールしようと「夜の観光」を掲げ企画された。始まったのは2013年10月だが年3回行われ、すでに11回目を数えた。祭りを定着させたいという地域の熱を感じる
▼宜野座村の「沖縄バーガーフェスタ」に、金武町の「たんぼフェスタ」。なぜハンバーガーや田んぼか。調べると地域の特徴が分かり、興味が湧く。今気になるのは「今帰仁まつり」の全島ぬるヌル相撲。観光は県外在住者だけのものではない。祭りに足を運び、お気に入りの地域を増やそう。