<金口木舌>熱いハンバーガー


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 阪神タイガースのキャンプがきっかけだった。観光客の手にはコンビニエンスストアのビニール袋。地元の物は食べられていなかった

▼「宜野座の全てが感じられるようなものを打ち出したい」。村観光推進協議会(当時)の職員だった仲間赴人(はやと)村観光協会事務局長が考えたのがハンバーガーだった。野球の観戦時に手軽に食べられるものをと考えを巡らせ、バーガーが浮かんだ
▼2011年からは村内の業者が地元の食材を使ったバーガーを祭りで販売した。完成度の高さに仲間さんは「地域にはいいものが眠っている」と感じた。13年には「第1回バーガーフェスタ」を開催した
▼全県から出品を募った。「バーガーで沖縄を元気にしたい」。バーガー店が年に1度腕を競う場を設けることは、全体の活性化にもつながる。目線を地元の村おこしにとどめず、沖縄全体に広げたことがさらなる集客にもつながったのではないか
▼11日開かれた第4回に足を運んだ。駐車場が広くなり、業者の努力や主催者の工夫で回転率も早くなった。年々、規模が拡大し客数も増えている。各店舗は出品したバーガーを約1年間、販売するというルールにもフェスタの誠実さを感じる
▼11月の業者説明会で仲間さんは「フェスタを活性化のきっかけにしてほしい」と呼び掛けた。地元を愛する人のアイデアと熱意が地域を盛り上げる。