<金口木舌>スポーツ通し心身の成長願う


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 生徒の生活バランスの確保などへ向け、全国的に過度な部活動を控える取り組みが進む。昨年暮れ、スポーツ庁が中学の部活動の状況を初めて調査。県内は全国と比べ、適切に休養日を設ける傾向にある

▼生徒の競技力向上には休養も必要だ。しかし指導者にそれが浸透しているとは言い難い。過日、元プロ野球選手の稲葉篤紀さんが名護市で青少年育成などをテーマに講演し、指導者の在り方にも触れた
▼当たり前のようだが、子どもらとの積極的な会話や相談しやすい環境が大事だと説いた。そして指導者の進化を求めた。多感な時期だからこそ、心の成長にも指導者ら周囲の支えが大切だ
▼稲葉さんは引退後、スポーツを通して地域活性化を図る日本ハムファイターズの「スポーツ・コミュニティー」の責任者を務める。この団体は社会貢献も旗印に挙げ、地域づくりにも協力する
▼プロ野球現役選手らによる野球賭博やバドミントン桃田賢斗選手の違法カジノ店での賭博など、社会貢献に反する行為で昨年、スポーツ界は大きく揺れた。犯罪行為に対する倫理観の欠如が根底にあろう
▼賭博で失格になった高木京介投手は失格処分が解け、復帰した。桃田選手も5月にも処分が解除される。スポーツで身に付けた健全さを取り戻したことだろう。心身ともに成長を感じさせるプレーをファンは待っている。