<金口木舌>スマホの手を休めよう


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 大型連休が終わった。世の中が休みの時に忙しく、これからが休暇という人も少なくないだろう。「休む」には日課をせずにおくとの意味もある。勤めていない人も日頃の生活リズムを変え、気分転換になったのではないか

▼休み明けの朝は、元気に通学する児童の姿が特に爽やかに目に映る。その安全を守るため、通学路に立つボランティアに話を聞く機会があった
▼小旗を持って横断歩道を渡らせながら、停止線で待つドライバーの姿がどうしても目に入るそうだ。忙しい朝のこと、おにぎりを食べたり、車内の鏡で髪を気にしたり。その中で最も多いのが目線を落としている人。携帯電話やスマートフォンの操作をしているのだ
▼2月に埼玉県でトラック運転手がスマホ操作に気を取られ、母子を死傷させた事件は記憶に新しい。ボランティアの1人が「運転中ぐらい電話を触らずにおくのは、その人のためにもなると思う」と言うのにうなずかされた
▼職場や取引先からの連絡には、すぐに応じたいのが人情だ。スマホには電話やメール以外の豊富な機能が付いている。便利な道具はどこにいても手に取りたくなるだろう
▼マナーモードやハンズフリーにしていても、細かい操作に気を取られ、運転のための視野は狭くなってしまう。運転する時ぐらいはスマホの手を休めよう。それが運転する人の務めである。