<金口木舌>知識が子を救う


この記事を書いた人 琉球新報社

 清明祭で、久しぶりに親戚のおばさんの「カメーカメー(食べて)攻撃」を受けた。満腹だと言っても聞き入れてもらえず、見ると手元の皿に肉やかまぼこが山盛りになっている

▼内心「困ったな」と思いながらもあふれる愛情を感じ、気持ちが温かくなった。そんな「カメーカメー攻撃」も、場合によっては一大事につながりかねない
▼子どもの食物アレルギーで悩む母親2人がサークルを立ち上げ、除去食のレシピや肌ケアの方法などをフェイスブックで発信している(4月27日付ひと・暮らし面)。卵や小麦を使わずに作るグラタンや7大アレルゲン対応のナゲットなど、レシピを公開している
▼外出先で出会った見知らぬ子に、親切でお菓子をあげる光景は珍しくない。だが、何げなく口にしたお菓子が命に関わることもあるという。「アレルギーがあるかもしれない」と考え、一緒にいる親などにひと声掛けるだけで危険は避けられる
▼2人は、子どもが1人で行動する時に発症した場合に備え、アレルギーがあることを知らせるバッジも試作した。今後、同じ悩みを持つ人同士が話せる場を提供していきたいという
▼自分の子もよその子もかわいい。知識さえあれば、安心して食べ物を薦められるし、周りの子がアレルギーを発症した時にも対応できる。情報を共有することが、命を救う一歩になる。