<金口木舌>母の日は「母」を休もう


この記事を書いた人 琉球新報社

 洗濯機を回しながら料理をする。料理を多めに作り、翌日別メニューにアレンジする。テレビを見ながら、洗濯物を畳む。風呂に入りながら風呂掃除をする

▼同時並行で複数の家事をこなす“ながら作業”は、子どものいる家庭では、よくある光景ではないだろうか。子どもが小さい場合、起きている間は目が離せない。育児に時間を取られる分、家事の効率化が求められる。もっとも家事・育児に協力的な夫がいれば、問題ないが
▼総務省の社会生活基本調査(2011年)によると、1日当たりの家事関連平均時間は、共働き世帯で夫が39分、妻が4時間53分だ。06年の調査と比較しても、男女差に大きな変化はない
▼夕方、スーパーで食材を買い求めレジに並んでいるのは、子連れの母親が多い。学校のPTA活動に活発に取り組んでいるのも多くが母親だ。介護の現場で、家族が頼りにするのは娘や嫁。無償労働を担う母親の負担は大きい
▼男性でも時間が許せば家事や育児、PTA活動に参加したいという人はいる。その意欲を妨げている背景の一つに、長時間労働がある。働き方改革は個人ではできない。掛け声だけではなく企業、社会共に意識を高める必要がある
▼今日は「母の日」。日ごろ頑張っているお母さん。今日くらいは「母」を休んで好きなことをしよう。母の笑顔は、家族の協力で2倍にも3倍にもなる。