<金口木舌>省庁での「忖度」の意味

 「驚き桃の木20世紀でございます」-。「PPAP」で世界的な人気をさらったピコ太郎さんが昨年、日本外国特派員協会の会見で発した言葉だ。英語への通訳にかなり困ったという。「驚き桃の木-」は別格だが、英訳しづらい日本語は多々ある。「お疲れさま」などもその一つだろう

▼森友学園問題でキーワードになった「忖度(そんたく)」も英訳が難しい。3月下旬に森友学園の前理事長が同じ日本外国特派員協会で会見した際、通訳は「read between the lines(行間を読む)」といったんは訳した
▼その後通訳と弁護士が相談し「英語で言い換える言葉はない」として「sontaku(忖度)」とした(4月5日付朝日新聞)。「過労死」同様、「忖度」も世界共通語になるのだろうか
▼改めて「官僚による究極の忖度」疑惑が浮上している。加計学園の獣医学部新設問題である。森友学園との共通点は「不自然な認可過程」と「昭恵夫人の名誉職就任」だ
▼本来他人の気持ちを推量する良い意味で使う「忖度」が、省庁では「権力者の意向に過剰反応し実現する」との意味に変容していないか。忖度を常態化させる政権は、弊害しかもたらさない
▼昨年の流行語大賞にピコ太郎さんの「PPAP」が選ばれたが、今年は「忖度」が候補に浮上している。流行語になること自体、残念な日本の政治と言えよう。