<金口木舌>変わる中部の気質


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 那覇市議選が告示された。日差しに負けじと熱い訴えが繰り返される。那覇の有権者は市議会をどのように評価するだろうか

▼205年前、米国はマサチューセッツの選挙でのこと。州知事のゲリー氏が所属政党に有利に区割りを変えた。不自然な選挙区の形は架空の動物サラマンダーに似ていた。意図的な区割りを「ゲリマンダー」と呼ぶ
▼日本復帰前の立法院選挙は、小選挙区制が導入された。米国は親米政党に有利なように区割りをしたため「ゲリマンダー」と批判されていた
▼専横も極まれり、と同じように思うのは米軍に対してだ。本島中部にいると特に感じる。ことしに入り、嘉手納基地でのパラシュート降下訓練の実施、そして移転したはずの旧海軍駐機場の使用と続いている
▼日米合意は簡単に覆される。嘉手納町の當山宏町長は慎重ではあるが、基地返還を求める意見が強まることを示唆した。米軍の事件事故があっても「嫌米ではない」と言う声はよく聞いてきた。そうした中部の気質も徐々に変化しているように感じる
▼米政府内で「沖縄問題は日本の国内問題」と言われることがある。当の日本政府は取り合いたくはなさそうだ。今日は米独立記念日。在沖米軍も1日から4連休で祝った。自由と平等を尊重する民主主義の国の人たちは、今の沖縄の状況に思いを寄せることがあるだろうか。