<金口木舌>選手の「今」を伝える


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 全国や世界で活躍する選手の小中高時代を指導者らと振り返ることは、運動部記者の楽しみの一つ。選手の成長過程に触れることは、記者にとっても大きな財産になる

▼指導者の話に共通するのは、努力の積み重ねが成長につながるということだ。目標へ突き進む選手の「今」をしっかり伝えることは、記者の大切な役割であることにあらためて気付かされもする
▼関係者一丸となった努力の積み重ねで頭に浮かぶのが水球だ。那覇西高の九州制覇やU15全国ユース大会6位入賞など、県勢「初」がこの1年相次ぐ。九州の壁を突破し、9月の愛媛国体にも少年が8年ぶりに出場する
▼水球は海邦国体で優勝した後、低迷期が続いた。選手経験のある永井敦さんが那覇商業高の監督に就任して復活。2年連続出場の2009年国体で、少年が海邦以来22年ぶりの入賞(7位)を果たした
▼高校で伸びる水球選手のジュニア時代の育成を担うのが沖縄フリッパーズだ。指導する砂邊昭利さんは海邦国体優勝メンバーで、息子の少年沖縄選抜のエース砂邊利貴選手(那覇西高)ら県のトップ選手を鍛えてきた
▼全国高校総体が南東北を舞台に開幕した。選手と指導者の熱い思いの結実を期待する。一方で、勝敗を超えた人間的成長はスポーツの大きな魅力である。負けても前を向く姿勢が、全国や世界で活躍する道にもつながる。