<金口木舌>「おもてなし」の工夫


この記事を書いた人 琉球新報社

 中国人観光客の「爆買い」はピークを越え、旅のスタイルが変わってきているという。団体旅行から個人旅行へ。「爆買い」から、体を動かして感動を味わう「体感」重視へ

▼中小企業基盤整備機構の国際化支援アドバイザー吉村章氏の指摘である。地域活性化に向け名護市が開いた講演会。外国人客のリピーターを増やすための「おもてなし」について語った
▼写真、うんちく、自慢話の三つを効果的なPR方法のこつに挙げた。誰かに自慢したくなるエピソードや商品のこだわりを用意し、写真を撮ってもらえば、客が自らSNS(会員制交流サイト)で拡散するという作戦だ
▼写真の撮影スポットを店に3カ所つくり「よろしければ写真撮りましょうか」と積極的に声を掛けることも勧める。「店内撮影禁止」の張り紙はよく見るが、逆に「どんどん写真を撮ってもらおう」というから面白い
▼一方、値引きを迫る相手には「まず規則をしっかり説明し、できないことは『できない』と告げる」よう助言する。文化の違いを知り、相手にも理解してもらうことは、観光の持続的な発展に必要だろう
▼本部町にある地元の聖地「備瀬のワルミ」では、観光客が急増し、違法駐車やごみのポイ捨てなどに住民が苦慮している(本紙28日付)。さらなる観光客増を目指す沖縄が、工夫すべきことはまだまだありそうだ。