<金口木舌>後生畏るべし


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 高校の恩師が「後生畏(おそ)るべし」とよく口にした。「論語」の言葉で若者には秘めた可能性がある、といった意味。沖縄の子どもたちの活躍にこの言葉を思い出すことが多い

▼西原高マーチングバンド部が世界コンクールで最高賞を受賞した。披露したビートルズナンバーを観客が口ずさみ、スタンディングオベーションを受けた。「Nishihara、Okinawa」が世界に印象付けられただろう
▼同部は毎年、県高校総体の総合開会式で演技を披露している。西原の演技に送り出され、県代表の座を獲得した高校生らはいま南東北総体で熱戦を繰り広げている
▼「私の青春は私にしかないものだ」。全国総体女子ソフトボールに出場した読谷の小橋川聖奈さんによる文章の一節だ。競技に懸ける思いと決意を昨年末に本紙に投稿してくれていた。総体は初戦で敗れたが、小橋川さんは先制機に絡み、チームも粘りを発揮した
▼宮城県では4日まで全国高校総合文化祭が開かれている。体育系であれ文化系であれ、仲間と一緒に汗を流したこと、自分たちのプレーが観衆に感動を呼び起こした経験は、社会に出ても貴重な財産となる
▼青春を懸けた挑戦は、幅広い世代に力と勇気を与えてくれる。生徒たちは、気負うことなく思いの丈を出し切ってほしい。結果や成績とは別にひたむきな姿がまた感動を呼ぶのだから。