<金口木舌>声を上げ続け、思いを届けよう


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 2012年7月、東日本大震災を受けて原発の再稼働に反対する国会前での抗議集会。主催者発表で20万人が集まった。報道を見て「沖縄で見慣れた抗議集会が、東京でもあるんだ」と新鮮な驚きを持って受け止めた

▼当方が初めて県民大会に参加したのは、1995年10月の少女乱暴事件に抗議する県民大会だった。主催者発表で8万5千人の県民が、宜野湾海浜公園を埋め尽くした。以来、県民大会に何度参加し、取材しただろう
▼米国でも政府に抗議するデモや集会がたびたび開かれている。本紙ワシントン特派員の座波幸代記者が、ワシントンDCで行われた集会についてウェブマガジン「新報スタイル」で報告している
▼6月に開かれたロシア疑惑への抗議集会では、風刺の効いたメッセージやイラストを描いたプラカードを手にし、トランプ大統領の仮面や仮装をした人が思い思いに主張した。「ユーモアたっぷりで、政治に対して怒り、きちんと物申す」と座波記者は評す
▼国会前では安保法、「共謀罪」法に反対する抗議集会がその後、何度もあった。今も毎週金曜に「脱原発」のデモが続いている
▼12日に奥武山であった県民大会には約4万5千人が集まった。県民が求める「新たな基地はいらない」との思いも「脱原発」も声を上げなければ届かない。政府の方針を軌道修正するのも、われわれの役目である。