エイサーのバチさばきを子どもたちが学んでいた。琉舞、三線、民謡。子どもからお年寄りまでが伝統芸能を通してウチナーンチュとしての誇りを体現していた

▼10年前、取材で訪れた南米での光景だ。ブラジルのカンポグランデ市の沖縄県人会館は県系人向けのサークル活動が活発だった
▼指導者は県内の市町村が実施する海外移住者子弟研修制度の研修生ら。母県で沖縄の歴史や文化、伝統芸能に触れ、ウチナーンチュとしての意識に目覚めた若者たちが帰国後、沖縄文化の継承を担う
▼県系3世の元研修生、吉武・タイス・アキナさんは幼いころ目にしたエイサーに心を奪われ、習い始めた。喜ぶ祖父母を見て「自分の人生は沖縄と共にある」と強く感じた
▼財政難や研修受け入れ先の確保などを理由に研修制度を休止、または廃止する自治体が出ている。西原町は2017年度に休止したが、ペルー出張で「研修生が町人会活動の中心になっていることを目の当たりにした」という上間明町長の肝いりで18年度は規模は縮小しつつも再開する
▼1908年に県民が笠戸丸に乗ってブラジルに渡ってから今年で110年。「母県で学びたい」という子弟の思いに応えられるか。「我々ウチナーンチュは、互いを助け合う相互扶助の心を持っている」と宣言した「世界のウチナーンチュの日」の精神を実践する時だ。



関連するニュース







  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス