<金口木舌>2年前の夏、ハワイで開かれた海洋保全の国際会議。沖縄から副知・・・


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 2年前の夏、ハワイで開かれた海洋保全の国際会議。沖縄から副知事らも出席する中、県系3世でハワイ州知事のイゲ氏は環境保護と経済が直結すると指摘し、こう呼び掛けた。「持続可能な開発へ共に作業することが大切だ」

▼世界有数の観光地ハワイで今月3日、その一歩が踏み出された。ハワイ州でサンゴ礁に有害と指摘される物質を含んだ日焼け止めについて、販売や流通を禁じる州法が成立した。世界初の試みで2021年に発効する
▼米メディアによると、販売禁止となるのは紫外線吸収剤のオキシベンゾンとオクチノキサートを含む日焼け止め。サンゴを殺し、白化を招く原因と指摘される。毎年、相当な量の日焼け止めが海に流出しているという
▼一方、日焼け止めは皮膚がんの予防に役立ち、サンゴへの影響も不透明だとしてハワイの医療界が反対した。今回、医師の処方によるものや観光客が持ち込む日焼け止めは規制外となる
▼16日は海の恩恵に感謝する「海の日」。島しょ県・沖縄において海の恵みを感じる人は多い。しかし、世界規模の白化現象などに沖縄も近年直面し、生態系や経済への悪影響が懸念される
▼法案に署名後、イゲ氏は誓った。「ハワイの岩礁を守るための小さな一歩にすぎないが、取り組みを続けたい」。感謝だけでなく行動へ。海はつながっている。沖縄もさらなる歩を進める時だ。