悲願の県勢女子初優勝まであと一歩だった。全国高校総体で浦添商業高のハンドボール部が準優勝を果たした
▼持ち前の堅い守備と速攻やセットプレーを織り交ぜた多彩な攻撃で食らい付いたが、前年覇者の壁は厚かった。だが、後半の点数だけで見ると13―12で勝っており、沖縄の高校生ハンドボーラーは男子だけでなく女子も全国トップの実力があることを示した
▼日大アメフト部の悪質タックル問題など、今年は学生スポーツに厳しい目が向けられたが、やはりフェアプレーで最後まで諦めずに戦う選手たちの姿はまぶしい。語り継がれるであろう熱戦を展開した選手たちは堂々と胸を張っていい
▼浦添は「ハンドボール王国」。市内の強豪校出身者らが集結する興南高校は全国制覇を重ね、その名をとどろかせているが、女子が高校総体で優勝したことはない。浦添商高を率いる玉城晴美監督は海邦国体で優勝した経験のあるスタープレーヤー。一流選手による一流の指導はいつか結実するはずだ
▼ハンドボールは、欧州ではサッカーに次ぐ人気スポーツ。県出身の池原綾香選手はデンマークで活躍しており、世界に羽ばたく選手が出てくることが期待される
▼野球やサッカーなどに押され、普段はあまり注目されないハンドボールだが、沖縄が全国に誇るスポーツとして、県全体で底上げを図ってもいい。