<金口木舌>けなすより褒めたい


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 「空気が読めない」「気が弱い」。短所を指摘され、傷ついたことのある人は多いだろう。これらの言葉を長所に言い換えて―。日本ほめる達人協会が主催する「ほめる達人検定」で出題された問題だ

▼回答は順番に「主張できる、人に流されない」「やさしい、繊細な心の持ち主」となる。心の底から相手の良さを見いだし、あらゆるものから価値を発見する。正しく褒めることは人間力も向上させるとして企業などを中心に支持されている
▼第三者から見ると、人を批判したり、けなしたりする言葉を見るより、褒める言葉を見る方が気持ちいい。県知事選挙で発信されるツイッターの投稿文約20万件に半日以上の時間をかけて目を通した
▼攻撃や批判、中傷する内容が大半で気がめいった。各候補者を褒める文を見つけると救われる思いがした。気持ちの問題だけではない。2013年4月、インターネットによる選挙運動が解禁された
▼虚偽や誹謗(ひぼう)中傷の投稿は法で禁じられている。ある首長が20日、自身のフェイスブックで個人攻撃ではなく政策論争を展開しよう、と呼び掛けた。全面的に賛同したい
▼候補者が沖縄のために何をしてくれるのか。ネットでも前向きな主張が読みたいし、この候補に投票したいと思える情報が欲しい。大人がしていることを将来の沖縄を担う子どもたちはしっかりと見ている。