<金口木舌>あなたの今年の流行語は?


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 今年の流行語大賞はカーリング女子の「そだねー」。流行語から記憶がよみがえる。思いつくままに沖縄の1年を振り返ってみた

▼学校現場の言葉も多かった。「地毛証明」は、校則で染髪を禁じている県立高校の多くが生まれつき髪の色が薄い生徒に提出させていた。人権侵害との指摘もある。「生理中の水泳授業」も問題だ
▼精神障がい者を自宅の小屋などに隔離していた「私宅監置」。人権を踏みにじった戦後史の闇だ。本土から遅れて沖縄では日本復帰まで容認された。跡保存の取り組みも始まっている
▼安全な暮らしが脅かされる事態も止まらない。米軍ヘリの窓が落ちた普天間第2小では、上空のヘリ飛行に児童の避難も日常化した。米軍ヘリが伊計島、読谷村、渡名喜村で不時着、F15戦闘機とFA18戦闘攻撃機が沖縄周辺海域で墜落した
▼華やかな話題もあった。安室奈美恵さん引退では改めて存在の大きさに驚かされた。人気グループ「DA PUMP(ダ・パンプ)」は「U.S.A.」が大ヒットし紅白歌合戦出場へ
▼県知事選では、玉城デニー知事が掲げた「新時代沖縄」が印象的だった。政府が強行する辺野古新基地建設現場の大浦湾の軟弱地盤を表す「マヨネーズ」は流行語のようになった。一貫して人権と自治の在り方が問われた1年だった。政府の強権には「そだねー」と応じるわけにはいかない。