<金口木舌>元号を考えた


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 果たして平和な社会になったのか。現在の元号「平成」は国の内外、天地とも平和が達成されるという意味が込められているという。その「平成」が今年で終わり、新しい元号が4月1日に発表される

▼次はどのような思いが込められるのか。東京新聞の12日付夕刊によると、使用頻度の高い文字があり、その上位10位以内の文字を使った元号が7割を占めた。1位は「永」で29回だった
▼三菱電機ビルテクノサービスが行った元号に関する意識調査で新元号に入れてほしい漢字一文字は「和」が最も多かった。推す理由には「平和や調和などを連想させる」などがある。平和な社会・世界を望む国民の思いは根強い
▼一方、インターネット調査会社の「マクロミル」が今年成人を迎える五百人を対象にしたアンケートで日本の未来を「明るい」と答えたのは37・2%。日本の政治に「期待できない」は78・0%に上った。「憲法改正」に関心を持っているとしたのは18・8%だった
▼若者が明るい未来を想像できない背景には政治不信もありそうだ。首相が誤った理解で発言したり、隣国と言い争いを続けたりする政治に「明るい」将来は見いだせそうにない
▼憲法改正よりも取り組まなければならない課題はたくさんある。永く「和」を大事にするという願いを込めて「和永」あたりはどうか。誰もがうなずける元号になればいい。