<金口木舌>医師の働き方が変われば

 息子の1歳半健診で、小児科の女性医師が健診票に添えてくれたコメントを大切に保管している。「立派に成長しています。身長も高いですよ」。息子は生後8カ月の頃、先天性心疾患の手術を受けた。順調に回復していたが、健診まで気が気でなかった

▼女性の医師は自身の子育てを度々話してくれた。「困ったら周りに頼ってくださいね」。この言葉に何度救われたことか。女性の医師がもっと増えたらいいと思った
▼実際の医療現場では、女医の割合は約2割にとどまっている。出産・育児に伴い離職する人が多いからだ。両立が難しくて退職した女性を取材したことがある
▼現状を変えようと、琉球大医学部付属病院の産婦人科は、医局長の銘苅桂子さんを中心に働き方改革に取り組んでいる。医師の半数以上が女性でほとんどは子育て中。就業時間内に仕事を終わらせようと会議と回診の時間帯を見直した。目指すのは「医師も人間らしく」。当直明けはできるだけ帰れるように体制を少しずつ変えている
▼東京医科大の医学部入試の合格率が今春、男女でほぼ一致した。昨年、女性や長期浪人生に対する得点操作が発覚した。ことしは公正な入試を実施し門戸を広げた
▼女子学生の増加は喜ばしいが、次に大切なのは働き続けられる環境だろう。人生経験を重ねた医師との出会いは、患者にとって大きな支えになる。



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