「おともだちとなかよくする」「ピーマンがたべられるようになるといいな」。糸満市摩文仁の平和祈念公園では毎年、七夕当日まで笹(ささ)飾りが設置される。アニメの主人公を夢見るものから家族の幸せを願うものまで、さまざまな短冊が並ぶ
▼笹は昔から邪気を払うとされ、江戸時代から七夕に短冊を飾るようになったという。もともとは習い事や芸事の上達を願ったそうだ
▼県平和祈念財団は、戦没者の霊を慰め、平和について考える機会にしようと、2012年から七夕まつりを開催する。糸満市や八重瀬町の保育園児らの覚えたての文字に交じって県内首長の短冊も
▼14年ごろからは41自治体の首長に短冊を送る。今年は伊江村や与那国町、久米島町、北大東村など11離島を含む34市町村の平和への思いが届いた。政治的な立場は違っても「命どぅ宝」の精神は同じだ
▼玉城デニー知事は「ひとりの小さな声がつながれば 平和な世界を必ずつくれる」と記した。翁長雄志前知事は就任後の15年以降、毎年、直筆の短冊を寄せた。18年の「平和! 心ひとつに 誇りある豊かさを!」が最後となった。毎年千枚に上る短冊は、盆供養祭でたき上げられる
▼きょうは「七夕」。二十四節気の「小暑」にも当たり、これから本格的な夏へ向かう。熱帯夜が続く中、織姫と彦星の再会に思いをはせながら天の川を眺めてみるのもいい。