<金口木舌>振り払うか、握るか

 沖縄から初の海外移民がハワイへ出発し、12月5日で120年。南米のペルーやボリビアでは今月、日系移民120年の式典があった。先人の多くが異国の地に溶け込んだ

▼ベトナムから帰化した南雅和さん(50)=東京都=が15日まで沖縄に滞在した。36年前、ベトナムから船で脱出し、漂流中に県人の船に救われた。感謝を伝えたいと願い、恩人との再会がかなうと抱き合って喜んだ
▼移民大国の米国では、手を振り払う事態が続く。野党民主党の新人議員で難民にルーツがある女性らに対し、トランプ大統領は「この国が嫌なら帰れ」とツイッターで表明した
▼異を唱える者は排除することもいとわず、出自にまで言及する。その姿勢からは、トランプ氏が度々口にする「偉大さ」が全く感じられない。攻撃された議員らは「差別的で白人至上主義の国にしようとしている」と批判した
▼肉親が日米両軍に分かれて敵として向き合うなど、74年前の戦争で私たちは憎しみ合う愚かさを知った。戦禍からの復興で、海外から支援の手が差し伸べられたこともある
▼参院選では日本の針路を巡り議論が交わされたが、お隣韓国との関係はぎくしゃくしたままだ。手を振り払うのか、手を握るのか。南さんは日本で生まれた17歳の娘を恩人らに紹介した。「世の中でSOSを出している人に協力したい」。その誓いは一つの道しるべだ。



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