座り込みや行進、集会など、抗議の意思を表す方法はさまざまだ。県民投票の実現に向けたハンガーストライキは記憶に新しい
▼香港では5日、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を巡り、ゼネストが決行された。那覇空港発着を含む約250便も欠航した
▼日本では4月以降、「フラワーデモ」が毎月11日に開催される。性暴力被害を訴えた裁判で3月、福岡、静岡、名古屋の地裁で4件の無罪判決が相次いだことが発端だ。10代の娘に長期間、性的虐待を加えた実父も無罪だった
▼刑法の性犯罪規定は2017年に110年ぶりに改正され、法定刑の引き上げなどの変更があった。一方で、性暴力が犯罪として成立するには、暴力や脅迫があり被害者の抵抗が著しく困難な状態だった場合など、厳しい要件は残った
▼「フラワーデモ」では、被害者に寄り添う気持ちを表す花を手にしたり、花柄の服を着たりして集う。静かに思いを寄せ合いながら、性暴力に無理解な社会に抗議し、刑法改正を訴える。東京で始まり、連帯の輪は各地に広がる。きょうは那覇を含め全国18カ所で開催予定だ
▼刑法は来年が見直しの時期に当たる。シュプレヒコールや怒声のない女性たちのデモに心を傾け、社会全体での真摯(しんし)な議論が急がれる。「性暴力を許さない」。求めているのは、シンプルで当然のことだ。