琉球新報社 料理酒は対象、みりんは対象外―。何の話かご存じだろうか。10月の消費税率の引き上げと同時に実施される軽減税率制度だ。飲食料品などの税率を８％に抑える
▼国税庁がホームページで公開する「消費税の軽減税率制度に関するＱ＆Ａ（個別事例編）」では、対象の線引きで指針を示す。飲食料品に当たる料理酒は８％、酒税法に規定するみりんは10％になる
▼遊園地の売店で買った物を、歩きながら飲食するのは８％、店が管理するテーブルに着くと外食で10％。宅配ピザは対象、利用が選択制の学生食堂やペットフードは対象外という。Ｑ＆Ａは目次が23ページ、解説は81ページにわたる。細かく複雑で、国民の理解がどこまで広がるか疑問だ
▼九州・沖縄の主要63社を対象にした共同通信のアンケートでは、レジ改修など軽減税率導入の準備が「完了した・ほぼ完了した」は14社。「着手したが、道半ば」が32社で最多だった。中小企業が多い県内でも準備不足が懸念される
▼さらに10月から値上げが続く。郵便料金、診療報酬や介護報酬も引き上げられる。沖縄都市モノレールの運賃も上がり、運賃改定を申請したバス会社もある。自動車保険料の引き上げも検討される。消費者の懐は厳しさを増すばかり
▼10月以降は外食を控えようか。酒は軽減税率の対象外だから、健康も考慮して減らそうか…。しばらくため息が続きそうだ。
