<金口木舌>企業と若者連携、人気商品開発


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 小腹がすき立ち寄ったコンビニ。ゴーヤーチャンプルーを皿に盛り満面笑顔のアンマー(母親)のパッケージが目に止まった。その卵とじのゴーヤーを挟んだおにぎりは県内の大学生が開発した商品の一つ

▼県内6大学と企業が連携した実践型インターンシップ「学Pリーグ」で生まれた商品だ。今年6年目で提携企業によると、秋の定番となり、毎年楽しみに待つファンも多いという
▼ファンの存在自体が商品の質の高さを物語る。企業の担当者は学生のアイデアや発想はプロも刺激を受けるという。学生にとっては“生きた就活”だろう。働く意識の確認や販売戦略など一つ一つがきっと将来の糧になる
▼今年の販売は先日終了したが「成人になり、あれほど駄目出しされたことはなかった」と企画を振り返った学生もいた。その一言に小売業の厳しさを体験した意義が凝縮される
▼一方、高校生も負けていない。別のコンビニが2009年から各校と共同で開発する商品が今年も店頭に並び始めた。田芋やモズクなど特産物に着眼した菓子パンに、地域資源の見直しも期待したい
▼コンビニ以外でも、離島を含めた実業高校が商工会と連携し地元産を生かした商品開発も増える。若者の可能性は無限大。就職超氷河期といわれるが、これらの感性や意欲を生かせる社会でありたい。大人の役割も重要だ。