<金口木舌>愛すべき「ゆるキャラ」たち


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 もはや地域おこしにはなくてはならない存在だろう。滋賀県彦根市の「ひこにゃん」や熊本県の「くまモン」に代表される「ゆるキャラ」たちだ

▼いわゆるご当地キャラクターだが、そのゆるさと、ほのぼのとした愛くるしさもあってブームとなり、全国各地で誕生している。火付け役の「ひこにゃん」以降、その数は全国で千を超えるとも言われる
▼ゆるキャラとは、強いメッセージ性と郷土愛が込められたキャラクターの着ぐるみを指し、イラストレーターのみうらじゅんさんが名付けた。特産品や歴史など地域の特徴を生かした姿で、どれも地元への愛があふれている。中には首をかしげる姿もあるが、そこはご愛嬌(あいきょう)か
▼県内でも本部町の「ぶトモー」や南城市の「なんじぃ」、竹富町の「ピカリャ~」をはじめ多くのキャラクターが活躍している。地域のPR、イメージアップは言うまでもないが、キャラを生み出す中で地域の魅力を見詰め直すきっかけにもなる
▼地方の時代と言われて久しいが、魅力をいかにPRするか試行錯誤は続く。ご当地グルメも含め全国的なブームに便乗するだけでは長続きしない。一過性に終わらせないため、身近なところで日常的かつ積極的に活用し、親しむことが大事だろう
▼間もなく「ゆるキャラグランプリ2012」の結果が発表されるという。順位はともかく、その魅力に癒やされてみたい。