<金口木舌>投票率の全国一を目指して


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 沖縄は前々回が最下位の47位と沈み、前回はビリは脱したものの46位、今回も41位と依然低迷…。何の順位かお分かりだろうか

▼さまざまな回答がありそうだが、正解は衆院総選挙・小選挙区の投票率。今回、全国平均は59・32%と2009年の前回から約10ポイント下落し、戦後最低となったが、沖縄も56・02%と過去最低を更新した
▼沖縄が初めて国政に参加した1970年の県内投票率は83・64%。その後も全国を大きく上回る70%台後半でほぼ推移したが、バブル崩壊や政治不信を受けた93年選挙から下落。96年以降は平均に届かない
▼投票率の低迷は全国も同じなのだが、沖縄は下がり方が極端だ。ちなみに2010年参院選も最下位。かつてはよく「沖縄は政治意識が高い」と評されたが、数字上はもはやそう言えまい
▼いろいろ分析はあるが、やはり基地問題の膠着(こうちゃく)も大きいだろうか。いくら移設反対を訴えても、届かぬ現実。政治不信は無理からぬところがあるが、県民の「基地問題疲れ」をほくそ笑む人たちがいるようにも思えて、悔しくなる
▼今回15回連続で投票率が全国一だったのは島根県。政界実力者を多数輩出する地域だが、地元記者は「真面目な県民性もあるが、政治との距離が近いのではないか」と言う。まずは30位台…なんて言わず、全国一を目指して真剣に取り組まないと何か手遅れになりそうな気がする。