<金口木舌>前向きに考える


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 物事に変化はつきもので一喜一憂していたらきりがないが、人は往々にしてその時の気分で喜んだり、悲観的になったりする。「ネガティブ」(後ろ向き)を「ポジティブ」(前向き)に切り替えるスイッチがあれば、どんなに便利だろう

▼昨秋、札幌の女子大生2人が作った「ネガポ辞典」(主婦の友社)が注目された。後ろ向きな言葉を前向きに言い換えた辞典で、その名は「ネガティブ」と「ポジティブ」の頭の部分をくっつけて付けられた
▼例えば「失恋」は「人生に深みがプラスされた」「今までよく見えていなかったものが見えるようになる」に、「音痴」は「誰にもマネできないアレンジ」「味がある」などに言い換えている。長所は短所と表裏一体というわけだ
▼辞典作成のきっかけは、著者の蠣崎明香莉(かきざきあかり)さんと萩野絢子(はぎのあやこ)さんが高校生の時、身の回りの問題解決で全国の高校生がアイデアを競う大会に参加。辞典を携帯電話のアプリとして提案し入賞したこと
▼若者の間で使われる語例も少なくない。「空気が読めない」は「まわりに流されない」「自分の意見を主張できる」といった具合。現実逃避になってはいけないが、うまく使いこなせばストレスを回避し、希望を生み出す糧となりそうだ
▼新しい年が始動した。県内も問題が山積している。気持ちを上手にコントロールし、ポジティブに乗り切りたい。