<金口木舌>うどん県


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 沖縄と言えばどんなイメージが浮かぶか。美しい海、三線、泡盛だろうか。全国各地にもそれぞれのイメージがある

▼そんなイメージを観光PRに結び付けたのが香川県の「うどん県」だ。名物の讃岐うどんを生かした、しゃれの効いたアイデア。2011年に観光情報サイトで「うどん県」への“改名”を宣言。12年の流行語大賞にノミネートされるなど、一躍全国に知れ渡った
▼民間シンクタンクの12年の都道府県魅力度ランキングで前年の30位から23位に浮上。官民挙げた取り組みが奏功した例だろう。続けて「それだけじゃない」と、その他の特産品PRにもつなげている
▼これに続け―と有名温泉地、大分県が「おんせん県」の名称を商標登録申請したが、こちらは他の有名温泉地の反発を招いてしまった。「うどん県」が共感を呼んだのは、群を抜く讃岐うどんのブランド力と先行の利の両方があったればこそだろう
▼地域のイメージや特産品は、アイデア次第で独自のブランドに変わる。沖縄の多くの特産品や独特の自然、文化は全国的に定着しつつあり「沖縄」は既にブランド化している。それにあぐらをかかず、新たな魅力の創出や洗練させるための不断の取り組みが大切だ
▼「美ら海県」「泡盛県」「うるまの邦」などいろいろ考えてみたが、どうだろう。「うどん県」に負けないPRのアイデアをひねりたい。