<金口木舌>県民幸福度どう伸ばす


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 シンクタンク日本総合研究所がまとめた「都道府県別県民幸福度ランキング」で1位は長野県。幸福度を測る55の指標のうち、健康、教育分野が国内上位にあるという

▼気になるのは最下位がどこかということ。指標のうち、若者の完全失業率、学力、大学進学率、県民所得などで全国最下位の県がそう。お気付きと思うが、残念なことに沖縄が47位と評価された
▼生活習慣病受診者率、待機児童率など指標の項目を見せられると、うなずくしかない。子育て支援が選挙の争点になり、自治体が医療費抑制へ健康維持の取り組みを推進するなど目に見える課題は多い
▼ただ指標のうち人口増加率で沖縄は全国1位。評価項目にはないが、出生率も全国一だ。子どもが多く生まれ、外から人が集まる証し。住みやすさなら沖縄はこれ以上ない場所と思う。ランキングは地域の長所と暮らしの課題がどこにあるかを示している
▼ランキングを監修した日本総研理事長の寺島実郎氏も自身のブログで「どの指標をどのように改善していくことが、地域の幸福をつくることにつながるかの刺激剤」に活用してほしいと強調する
▼幸福度最下位という結果はやや刺激が強すぎたが、評価はしっかり受け止めたい。未来へ何を残すか。より暮らしやすい沖縄をつくるにはどうするか。議論の足掛かりは得た。乗り越えるしかない。県民一人一人への宿題だ。