<金口木舌>異文化を学ぶ


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 外国に旅行に行くと、普段とは異なる言葉や習慣に接することがある。そこに住むとなれば、なおさら「異文化」を肌で感じるだろう

▼11日に開かれた第30回外国人による日本語弁論大会には、県内に暮らす12人の外国人が、沖縄で生活する中で感じた言葉や文化の違いなどを流暢(りゅうちょう)な日本語で発表した
▼カタカナ語の氾濫に「美しい日本語を使って」と呼び掛けるハンガリーの人。車に名前を付けて呼ぶ人を通し「八百万(やおよろず)の神」の考え方を学び、「周りの物を大切にするために、名前を付けては」と提案するタイの人。聞いている側にも新鮮な発見がある
▼ウチナーグチとカタルーニャ語など、バルセロナと沖縄に多くの共通点を感じたというスペインのビナス・ソマロ・モニカさん(琉球大)。「どんな遠い国でも、文化が違っていても、何か『同じ』こともある」と語った。異文化を受け入れることは、お互いが「新しい何かを一緒につくりだすこと」との言葉に、国際交流の本質を見た気がする
▼「異文化」に戸惑うこともあるだろうが、まずは触れてみなければ始まらない。お互いを認め合い高め合うことで、理解が生まれ、困難があっても解決策が見いだせよう
▼世界中に多くの文化があるように、空手や音楽など沖縄には誇れる文化がある。足元の文化も異文化も人類の宝だ。相互理解の大切さをいま一度、かみしめたい。