<金口木舌>明日を担う若者の「働き」の潜在力


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 浦添市内の住宅街の一角に最近誕生したワーキングスペース「ワジャ」。県内ではこれまであまり見掛けなかった個と企業、地域をつなぎ、新しい働き方の提案を目指す場所だ

▼運営は人材育成などを行うルーツ。自治体と連携した特産品づくり事業への参画を勧めるほか、起業支援も行う。実績や成果を重視する実践的な手法は、雇用のミスマッチを改善するヒントとなろう
▼内閣府の補助事業の一環として行う「おきなわ起業家留学」は代表的な取り組みの一つ。これも事業成果を追求する実践型インターンシップで、売上高増や大口顧客獲得といった数々の成功事例を生み出しているという
▼学生の行動力、柔軟な発想を企業が抱える課題の解消にどう生かすか。橋渡し役となるこれら事業者にとって県内の若者の働く力が頼もしくもあり、活動の支えとなろう
▼年明け早々、国内トップ級の経営者がそろう経済同友会の教育問題委員が琉球大や沖縄高専など、県内の教育機関を初訪問した。成長著しいアジアを見据え、沖縄の可能性に着目したほか、若者の職業意識の高さや潜在力に強い関心を示した
▼全国の注目度を見ると、沖縄の雇用環境には失業率の面だけでは測れない魅力が隠れているのかもしれない。きょうは多くの企業で入社式がある。地域や企業の明日を担う若者の潜在力に大いに期待したい。