<金口木舌>努力こそ成功のもと


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 こどもの日のきょう、プロ野球の巨人で師弟関係にあった長嶋茂雄氏と松井秀喜氏に国民栄誉賞が贈られる。2人とも、その時代の野球少年が憧れた名選手だ

▼長嶋氏は現役時代に「天才」と言われたため、表立って猛練習するのをはばかったという。後に「人に見えないところで、かなり練習した」と語った。何よりも努力が成功のもとだ。そして、松井氏を厳しく鍛えた。松井氏は現役一番の思い出を「長嶋監督と素振りした時間」と語っている
▼12日に大相撲夏場所が開幕する。今場所は千代皇(本名・基王代仁(もといみよひと))が十両に昇進した。久々の県関係十両力士の誕生に期待も高まる
▼千代皇は相撲の素質を見込まれ、鹿児島県与論町から中部農林高に入学。その後、九重部屋に入門し2010年春場所、初土俵を踏んだ。この3年間、プロの世界で猛稽古に耐え、十両という地位をつかんだ
▼中部農林高の元相撲部監督で同校に基少年をスカウトした木崎智久氏は「とにかく、こつこつ努力していた」と評する。九重部屋では朝稽古の寒さに体調を崩したこともあったが、精進を続けた
▼名選手、名力士と呼ばれるまでには数々の苦難がある。それを一つ一つ乗り越えていった先に成功はある。人知れず努力した証しなのだ。きょう、子どもたちには、そんなことを考えながら大きな夢を膨らませてほしい。