<金口木舌> 新たな挑戦


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 諦めずに努力を続ければ夢はかなう-。岩手県で医師として働いていた中村彰吾さん(30)は、その言葉を実現してみせた。国内最高峰の日本ハンドボールリーグ(JHL)に所属する琉球コラソンが4月に行った入団テストに見事合格した

 ▼高校からハンドボールを始めたが目立った実績はない。だが、医学生のときも医師になってからもハンドボールへの情熱は募るばかり。今回、入団テストが行われるのを知り「逃げたら後悔する」と、挑戦を決意したという
▼スピードやジャンプ力が優れ、テストはトップで合格。球団関係者はその熱意も評価した。医師の仕事をしながら、時間さえあれば練習場所を探してハンドボールを続けてきた努力が実を結んだ
 ▼当面、医師の仕事はせず、競技中心の生活を送る予定だ。今はチームの主力として1試合でも多く出場し、活躍できるよう、力を付けることが先決だろう
 ▼琉球コラソンは昨シーズン、プレーオフ進出にあと一歩と迫り、JHL加盟以来最高の5位の成績を残した。9月に開幕する来シーズンについて、水野裕矢ゼネラルマネジャーは「優勝を目指す」と言い切る
 ▼「チームが日本一になる瞬間、コートに立っているプレーヤーになりたい」と中村さん。琉球コラソン入団という夢をかなえ、新たな挑戦が始まった。次は日本一という夢が据えられている。