<金口木舌>ご当地アイドルのパワー


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 朝の楽しみが一つ増えた。NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」でヒロインと同じくアイドル目指して上京したGMT47の一人に沖縄出身の蔵下穂波さんが出演している

▼映画「ホテル・ハイビスカス」の「ウーマクー美恵子」と言えば思い出す方もいるだろう。朝ドラでは喜屋武エレン役。沖縄っ子そのままに「だーる、だーる(そうそう)」と相づちを打つのは笑える
▼GMT47の元ネタとも言えるAKB48の総選挙で1位、センターの座を獲得した指原莉乃さんの勝因は「博多票」だった。スキャンダルで“都落ち”したかと思いきや、福岡の強力なファンがついて全国のトップに。地方の力は侮れない
▼アイドルやグルメ、ゆるキャラで地域活性化を図る試みが活発だ。公共工事は削られ、製造業は海外移転。人口流出に悩む地方都市が「ご当地もの」を強力に進める
▼朝ドラではヒロインが北三陸鉄道に観光客を呼ぶ。実際、舞台の岩手県久慈市は観光客が増え、一部の方言だった「じぇじぇ」も有名になった。経済効果だけでなく地元愛を育む効果もあるようだ
▼前作「純と愛」は宮古島が舞台だった。「あまちゃん」人気に押され沖縄は忘れられたかと思っていたら、ウチナー娘が再登場。「なんくるないさ」と来た。沖縄の素材は全国版だと思わずうなった。ソフトパワーの“県産品”も大いに活用したい。