<金口木舌>世界一への道


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 米女子ゴルフツアーに今季から本格参戦した上原彩子選手。宮里藍、宮里美香両選手らと共に各地を転戦する。県勢3人目の米女子ツアー制覇を目指して奮闘中だ

▼昨年の米ツアー最終予選会は3位の成績。これまでメジャー3大会全てで予選を突破している。先月のショップライト・クラシックは今季自己最高の9位。最高峰でも十分通用する力を持っている
▼プロ10年目。国内ツアーでも3勝の実績を持つ。今回、29歳での米ツアー挑戦は遅めの感もある。だが「ゴルフをやるなら世界一を見るべき。悔いのない人生を送りたい」との思いから大舞台に挑んだ。何事も意欲さえあれば、遅きに失することなどないのだ
▼世界のトッププロと伍(ご)しても気負いはない。「日本では絶対にできない経験」と、ハイレベルな戦いをむしろ楽しんでいるかのようだ。毎試合、課題の克服にも真摯(しんし)に取り組み、充実した日々だという
▼上原選手も米ツアーでは「ルーキー」。そのルーキーのランキングは有村智恵選手より上の3位。中でもフェアウエーキープ率は7位と、ショットの正確さが武器だ。粘り強さが発揮されれば、頂点をつかむ日も遠くないだろう
▼ツアー後半戦も思う存分、自分らしいゴルフを見せてほしい。日本勢の大先輩には同ツアーで17勝を挙げた岡本綾子選手がいる。再び「世界のアヤコ」が活躍する日が待ち遠しい。