親指派か人さし指派か。若者に問われ、一瞬戸惑った。スマートフォン(スマホ、多機能携帯電話)を片手で扱えるかというわけだ。いつぞやのサラリーマン川柳「多機能に なっても使うは 通話だけ」のガラケー(携帯電話)派にとっては無縁の話
▼気になることも多い。歩きながらスマホに夢中な人とぶつかりそうになる。子どもたちが話もせず、全員携帯をいじっている光景も見掛ける。小学生がスマホに気を取られ駅のホームから転落する事故もあった
▼携帯電話の過剰使用やネット依存が問題になっている。本来有益なコミュニケーション手段であるはずの携帯にとらわれてしまっては、まさにあべこべだ
▼「LINE疲れ」現象も起きている。無料通信アプリのLINEはメッセージを読むと「既読」と表示される。そのためすぐに返信しないと「無視してる」と言われかねないそうだ
▼一部の中高生にはメッセージを途中で止めないというルールがあり、いじめを恐れて授業中も寝る間も惜しんでスマホに向かう子どももいる。さらに性的な動画など子どもに有害なサイトが蔓延(まんえん)する現状も
▼便利だからと言って、道具に心や行動を縛られてはつまらない。わいせつ動画などは大人が規制しなければなるまい。「ケータイを 忘れた!今日は 自由人」。大人も子どももネットに振り回されない過ごし方を取り戻したい。