<金口木舌> 女子スポーツが元気


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 ユニホーム姿の選手たちの表情は笑顔で満ちあふれていた。全日本女子軟式野球九州大会中学の部で初優勝し8月26日夜、那覇空港に凱旋(がいせん)した県代表の「美(ちゅ)ら沖縄」の選手たちのことだ

 ▼メンバーは皆、野球が好き。普段はテニスやハンドボール、ソフトボールなどの部活動に励み、毎週月曜日に各地から集まり、北部、中部、南部と持ち回りで練習している
 ▼九州大会では準決勝で3連覇を狙う強豪の福岡選抜に圧勝し、実力の高さを示した。沖縄女子野球界の夜明けだ。「野球は楽しい。女子でやる人がもっと増えてほしい」。捕手・仲間姫さん(金武中3年)の言葉もすがすがしい
 ▼一方、県内唯一の女子ラグビー単独チーム、中部農林高女子ラグビー部「ファンビーズ」が8月上旬、長野県で開かれた全国高校女子7人制大会で公開試合に出場した。今春、部になったばかりだが、選手たちのやる気と努力が全国への道を切り開いた
 ▼大会前、仲村美津紀主将(3年)は「他府県の選手を見て、自分たちとどんなところが違うか学びたい」と話した。貪欲に何かを吸収しようとするパイオニア。その思いが技術の向上につながり、大きな花を咲かせるに違いない
 ▼宮里藍ら女子プロゴルファーに負けじと県外、国外に打って出る。思いもよらぬ競技からトップアスリートが生まれそうな予感。女子選手の潜在力に期待したい。