<金口木舌>プロ野球人気


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 プロ野球ソフトバンクの東浜巨(なお)投手が23日のロッテ戦でプロ初勝利を挙げた。11日には巨人の宮国椋丞(りょうすけ)投手が1カ月ぶりの今季6勝目。県内プロ野球ファンを喜ばせるニュースが続いた

▼楽天・田中将大投手がプロ野球記録の開幕20連勝を超えれば、ヤクルトのバレンティン外野手はシーズン本塁打記録55本を塗り替えた。そして楽天が球団創設9年目で初優勝。プロ野球が、がぜん面白くなってきた
▼そんな中、日本野球機構の加藤良三コミッショナーが統一球問題の責任を取って突然辞任した。第三者委員会が最終報告を出す直前。何とも後味の悪い引き際だった
▼最終報告は加藤氏の責任が免れないと結論付けた。辞意表明が最終報告の直前だったことから、批判の矢面に立つのを回避したと見る向きもある。任期を全うした上で自らの責任を明らかにすべきだった。それがスポーツマンシップというものだろう
▼ただ今回の問題は、ひとり加藤氏だけの責任ではない。連綿と続いてきた野球機構という組織の体質にも原因はある。曖昧だったコミッショナーの役割を明確化するなど、体質改善には大なたを振るう必要がある
▼戦後、プロ野球は日本のプロスポーツの象徴として歴史を築いてきた。プロ野球人気をさらに高め持続させるためにも、野球機構はしっかり体制を立て直してもらいたい。