<金口木舌> けがを乗り越え


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 「復活」-。スポーツ面でこの見出しが躍ると、華々しく見える。だが、当のアスリートは故障やスランプといった苦い経験を乗り越えたケースが多く、「復活」には重く深い響きも感じるかもしれない

 ▼北京五輪重量挙げ女子48キロ級で8位入賞した大城みさき選手。膝の故障を抱え引退を考えたこともあったが、今年6月の全日本選手権で優勝し復活した。2016年のリオ五輪を目指す。大城選手の「不屈」の精神にエールを送りたい
 ▼バスケットボールbjリーグ・琉球ゴールデンキングスの金城茂之主将もけがで苦しんだ一人。金城選手は本紙が実施したスポーツ選手鼎談(ていだん)の中で「スポーツの街」構想を披露した
 ▼「練習、試合の会場、医療施設、大学など、スポーツのために全てのものがそろっている都市があれば面白い」。スポーツ環境が整備、充実した都市が実現すれば、アスリートの故障にも適切かつ十分な対応ができるだろう
 ▼この考えは、県などが進めるスポーツアイランド構想にも通じる。施設の充実やサポートする側の人材育成によって、県外からも多くのアスリートを受け入れることができるはずだ
 ▼コンディショニングコーチやトレーナーが付いて的確な指導をすれば、故障は防げることが多い。アスリートたちの「不屈」の精神やパフォーマンスを、スポーツ環境の整備によって支えてあげたい。