<金口木舌>月見草のごとく輝いて


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 今年も未来の球界を担うだろう期待の星が次々と誕生した。先月終わったプロ野球ドラフト会議で県出身の4選手もプロから高い評価を受けた。各選手の活躍が今から楽しみだ

 ▼中でも、又吉克樹投手が中日の2位指名、北山高校の平良拳太郎投手が巨人に5位指名されたのはうれしい。又吉投手は四国の独立リーグ、平良投手は1学年3クラスの小さな学校からのプロ入りだ
 ▼巨人のスカウトは平良投手が1年生のころから注目していたという。又吉投手は大学進学後に才能が開花した遅咲きタイプ。ともに甲子園には縁がなかっただけに喜びもひとしおだろう
 ▼南海などで活躍した野村克也さんは、自らを「ひっそりと咲く月見草」と評した。当時の大スター長嶋茂雄さんらと比較してのことだが、月見草も美しさはひけを取らない。無名の選手からはい上がった野村さんのように、又吉、平良の2選手も見る人を引きつける選手に成長してほしい
 ▼野球に限らず、華々しい舞台に立たなくても才能と努力を評価する人は必ずいる。2選手のプロ入りは、そうした努力を続ける子どもたちにとっても勇気を与えてくれる
 ▼低迷しているとされるプロ野球人気だが、沖縄に限っては心配なさそうだ。県出身選手の投げ合いや投打の対決など楽しみが増えた。躍動する県出身選手の姿を想像すると、今からワクワクする。