<金口木舌>センバツ切符


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 地元沖縄での開催、さらに沖縄尚学・美里工業という大会史上初の同一県勢の決勝で盛り上がった九州高校野球大会。今大会が来春の選抜大会出場の選考資料となるため、両校は選抜出場を確実なものとした

 ▼九州大会には毎回県内から2校が出場しているが、今回は県内開催のため4校出場した。八重山商工と宜野座は2回戦までに敗れたものの、両校とも堂々たる戦いぶりだった
 ▼最近、選抜に出場する九州代表は4校でほぼ定着している。それだけに「県勢の全てが4強入りしてほしい」と心の中で願った関係者は少なくないだろう
 ▼確かに今大会への県民の関心の高さも段違いだった。大会前「もし4強を県代表が占めたら、4校とも選抜に行けるんですか」という問い合わせが、本社に何件かあった。日本高野連の資料によると、過去に1県から3校出場した例はあるが、残念ながら4校の出場はない
 ▼決勝に進出した沖尚と美里工は攻守のバランスが取れ、鍛え抜かれたプレーで強豪校を打ち破った。両校は今夏と秋の県大会でも決勝で対戦している。両雄であり良きライバルでもある
 ▼「選抜切符」をほぼ手中にした沖尚と美里工だが、出場校の正式決定は来年1月。それまで、チーム力の向上と課題の克服に努めてほしい。今度は選抜大会決勝での両校の対決を、県民は夢見ている。