<金口木舌>「悪魔か、天使か」


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 国民的人気アニメの主人公ドラえもんがそばにいたらと思う人は多いだろう。欲しいドラえもんの道具を順位付けしたあるサイトによると1位は「どこでもドア」

▼そんな「まさか」を実現するロボットの誕生も夢ではない。沖縄こどもの国で開催中の「ロボトモ展」には驚きのロボットが並ぶ。人間の言葉を理解し質問に答えたり、カチャーシーを踊ったり
▼中でも二足歩行ロボット「アシモ」の動きに子どもたちは歓声を上げていた。小走りや片足立ちは序の口で、音楽に合わせてダンスを踊る。子どもたちが目を輝かせるさまが印象的だ
▼一方、米国で8月に開かれたロボット展も関心が集まった。ただアシモと違い、展示物は物々しい。遠隔操作で戦闘させる小型ロボットや監視カメラを搭載した無人機など。国際社会では、兵士を危険にさらさない「殺人ロボット兵器」導入に懸念が広がっている
▼敵の識別、状況判断、殺傷まで全自動の「自己完結型」に進化すれば、戦闘の意思や能力を失った負傷者、降伏する人まで殺す危険性がある。実際、米国の無人機攻撃でパキスタンでは多くの民間人犠牲者が出た
▼ロボットは人間の使い方ひとつで天使にも悪魔にもなる。非人道的兵器ではなく、頼りないのび太を助けるような、優しく、夢をかなえる存在であってほしい。子どもたちの輝く目がその願いを物語っている。