<金口木舌> ファンとチーム


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 ことしのプロ野球で初の日本一に輝いた楽天の星野仙一監督に正力賞、同じく田中将大投手に特別賞が贈られた。プロ野球の発展に貢献した監督、選手らに贈られる賞だが、今回は特に地元東北を中心にファンの熱心な応援があればこその受賞と言えよう

 ▼星野氏が監督に就任した2011年から2年間、チームは低迷した。今季は東日本大震災の被災者らファンと喜びを分かち合いたいという思いが結実した。その思いがファンを増やし、チーム躍進の原動力になった
 ▼競技は異なるが、県内にも全国を舞台に戦う琉球ゴールデンキングス、琉球コラソン、FC琉球がある。県内外にファンがいるが、沖縄のファンを増やすことがチームの支えとなり、底力にもなる
 ▼各チームとも小中学生らを対象に教室を開いている。競技の普及強化が狙いだ。選手が子どもたちに直接指導することでチームへの親しみや愛着も増していく
 ▼FC琉球の我那覇和樹選手は本紙鼎談(ていだん)で「3チーム合同のスポーツフェスタや公式戦の開催、サイン会などの触れ合いがあってもいい」と提言した。観客動員増、ファンの拡大にはいいアイディアだ
 ▼ファンは、選手の一挙手一投足に熱いまなざしを注ぐ。チームは一丸となって、ファンの心に焼き付くような試合を見せてほしい。その積み重ねの先に、全国の舞台で躍動する勇姿を見据えて。