<金口木舌>夢と道


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 「意志あるところに道はある」-興南の甲子園春夏連覇時の1番打者で、難関の公認会計士試験に合格した国吉大陸さん(明大3年)の座右の銘だ。4日付本紙に喜びの声などが報じられた

▼「小さなことの積み重ねが大きな成果を生む。勉強も同じ」と国吉さん。勉強で弱音を吐きそうになったときは、興南での経験が支えになったという
▼大学1年時、母校興南で学力対策のパネルディスカッションがあった。パネリストとして登壇した国吉さんは、プロ野球選手を夢見たこともあったが、高校時代に自分には厳しいと切り替えた、と話した。人生の進路を変える決断には大きな勇気が必要だったろう
▼その日は漫画「ドラゴン桜」作者・三田紀房さんが講演。「夢がなくて不安」と言う生徒に「人生は長く、いろいろな可能性がある」と助言した。確かに、夢は焦らず、じっくり温めることも必要だと思う
▼5日付本紙には、国吉さんと共に興南でプレーした我如古盛次さん(立大)、安慶名舜さん(法大)、島袋洋奨さん(中大)が、各大学野球部の新主将として語り合う記事が掲載された。どの顔も全国制覇の夢とやる気にあふれ、輝いている
▼夢は一つとは限らない。国吉さんのように自らの可能性と向き合い、新たな夢を見つける人もいる。夢を見るのに遅すぎるということはない。諦めなければ、きっと道は開ける。