<金口木舌>快走


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 ちょうど1週間前の12日、全国大学ラグビー選手権と全国都道府県対抗女子駅伝で県出身選手の活躍が目を引いた。2人が全国トップレベルの選手たちの中で堂々と競技する姿に、胸のすく思いがした

▼大学ラグビーは、前人未到の5連覇を成し遂げた帝京大3年のプロップ・東恩納寛太選手(名護高出)。女子駅伝の方は沖縄の1区を走った仲間千華選手(愛知電機)。いずれもテレビ中継され、多くの人がその勇姿を目にした
▼東恩納選手は後半、早稲田に詰め寄られた大事な場面で登場、勝利に貢献した。「来年はスタートから出て、6連覇したい」と頼もしい。チームの主力として、さらなる飛躍が期待される
▼仲間選手は南部商高から大阪学院大を経て実業団入り。昨年12月の全日本実業団対抗女子駅伝でも1区を任された。今回の都道府県対抗で、2区へ19位でたすきをつなぐ快走は見事だった
▼駅伝では「花の1区」と言われ、1区の責任は重い。その走りがレース展開を左右し、総合成績にも影響する。仲間選手は「ここが勝負」とトップ集団に食らいついたという。内に秘めた闘志でチームを引っ張った
▼2人とも県出身選手の中では、いわばトップランナー。県内スポーツ界の牽引(けんいん)役として、走り続けてほしい。その姿は、世界や全国の大舞台を夢見て練習に励む“卵”たちにも大いに刺激となろう。