<金口木舌>地域の宝


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 プロ野球の各球団が沖縄キャンプを打ち上げた。県内の球場から球音も消えたかと思ったら、そうではなかった。今度は社会人や大学のチームがキャンプを開始、球音がこだましている

▼社会人野球と言えば、今年5月31日から8日間、沖縄セルラースタジアム那覇などで第85回都市対抗野球大会九州地区予選が、県内で初めて開かれる。県内野球ファンにとっては社会人の試合を堪能できるチャンスだ
▼都市対抗野球の本大会では、地元を挙げての熱狂的な応援合戦が知られている。宜野座村でキャンプを行っているNTT西日本の佐々木誠監督は「都市対抗の地区予選は甲子園の地方大会と同じ。予選も多くの人に見てもらいたい」と言う
▼確かに東京ドームの本大会の盛り上がりようはすごい。しかし、予選も一戦一戦が真剣勝負。負けたら後がない。“聖地”目指して必死にプレーする姿を、ぜひ見たい
▼興南高校監督として、同校を甲子園春夏連覇に導いた我喜屋優興南学園理事長は、大昭和製紙北海道などで社会人野球の経験が長い。社会人野球関係者との対談で「社会人チームは地域を巻き込むことが必要」と語っている
▼社会人チームが強くなるには地域の支えが不可欠。逆に、チームも地域や人々を元気づける存在であってほしい。「地域の宝」として、社会人野球の裾野が広がることを期待したい。