<金口木舌>高い意識


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 春のセンバツ=第86回選抜高校野球大会が開幕した。今大会には4年ぶりに県内から2校が出場する。沖縄尚学がきょう、美里工業があす初戦に臨む。両校の選手たちが憧れの大舞台で躍動する

▼両校は昨年夏、秋の県大会決勝で対戦。県内開催された九州大会でも決勝で顔を合わせ、堂々センバツ切符を手にした。互いに切磋琢磨(せっさたくま)する良きライバルだ
▼いま高校野球の聖地で頂点を目指す両校には、独自の指導理念がある。沖尚の比嘉公也監督は「日常生活での判断力や洞察力が勝敗につながる」と選手に説く。練習だけでなく生活面でも高い意識がなければ結果を出せないと考える
▼一方、美里工業の神谷嘉宗監督は「やらされていては伸びない。言うことを聞くだけの選手になる」と自主性を引き出す指導を心掛ける。主体的な行動が、試合では的確な判断とプレーにつながるからだろう
▼選抜大会と並行して、県内でも高校野球春季大会が開催されている。出場56校の選手たちも一投一打に全力を込めて試合に臨んでいる。そして「夏こそは自分たちが甲子園に」の思いを胸に秘める
▼選抜出場の両校は練習法や体づくりにもユニークな方法を取り入れている。これも夢を実現するための高い意識の表れと言えよう。県民は両校による沖縄旋風をもちろん期待しているが、まずは初戦突破に集中してほしい。