<金口木舌> 栄冠の予感


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 頂点の予感がする。ちょっと気が早すぎるだろうか。選手にプレッシャーを与えてはいけないが、選抜高校野球大会の8強を懸けた対白鴎大足利(栃木)戦における沖縄尚学の戦いぶりは、県民にそんな思いを抱かせた

 ▼沖尚は1回戦、エースの山城大智投手の力投で完封勝ちしたものの最少得点だった。2回戦はエースの頑張りに応えようと打線が奮起。終盤に畳み掛け、大量点をプレゼントした
 ▼白鴎大足利のエースは県出身の比嘉新投手。故郷のチームを相手に決して気負うことなく、中盤まで息詰まる投手戦を演じた。試合後の「自分たちの分まで頑張ってほしい」の言葉がすがすがしかった
 ▼昨秋の明治神宮大会で優勝した沖尚には“秋春連覇”の期待も懸かる。これまで神宮の王者は選抜でも結果を残しているが、それを意識せず「一戦必勝」で試合に臨んでほしい
 ▼今年の選抜には4年ぶりに県内から2校が出場した。もう1校の美里工業は1回戦で強豪・関東第一(東京)に敗れたものの、白熱した好ゲームを見せた。県勢が1校となり、沖尚には重圧もあるだろうが、伸び伸びと力を発揮してほしい
 ▼ベスト4を懸けて、沖尚はあすの準々決勝で豊川(愛知)と対戦する。高校生らしい、はつらつとしたプレーを見せてもらいたい。そして、1試合でも多く甲子園に爽やかな風を吹かせてほしい。

※注:白鴎大足利の「鴎」は「区」が「區」