<金口木舌>国会は何と比べる?


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 米国連邦議会はゴキブリ以下らしい。昨年の米世論調査の結果だ。議会の評価をさまざまな物と比較したところ、シラミ、犬のふん、歯の治療の方に軍配が上がった。「財政の崖」問題の混乱で有権者が愛想を尽かした

 ▼翻って日本はどうか。国会のセンセイ方は来月から“給与”が大幅に増えそうだ。2年前に始まった歳費20%削減が今月末で打ち切られるからだ。消費増税に理解を得るはずの「身を切る改革」がもう店を畳む
 ▼議員歳費は本来、月129万4千円。2回の期末手当を含めると年間2106万円だ。東日本大震災の復興財源として13%、議員定数削減が実現するまでの約束として7%が減額され、年1685万円になっていた
 ▼肝心の定数削減は頓挫したままだ。被災地の復興は程遠く、今なお26万人が避難を続ける。消費税も上がったばかり。国民には痛みを強いるのに、自らの権益は死守する根性は情けない
 ▼議員には他に文書交通費が月100万円、立法事務費が月65万円、さらに政党交付金も血税から支給されている。石破茂自民党幹事長は「新人議員は困窮している」「民主主義のコストだ」と開き直る。他党も及び腰で、議論では沈黙の場面が続くという。逃げ切りを待っている状態だ
 ▼自らを律せない“税金たかり虫”の国会は何と比べればいいか。例えられる害虫たちも、さぞ迷惑だろう。